TKの本棚(1)『太陽はいつも輝いている ~私の日時計主義 実験録』
『太陽はいつも輝いている ~私の日時計主義 実験録』(谷口雅宣先生著、発行・生長の家、発売・日本教文社、税込1200円、2008年5月1日発行)
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本書を読了直後、家路を急ぐ道すがら、陽光を浴びた新緑の木々が色鮮やかに目に飛び込んできた。
一瞬一瞬、私たちが目にするもの、出合うものすべては、奇蹟とも言える確率でそこに在る――そんな「当たり前の奇蹟」の連続がこの人生であると、本書を読んで改めて気付かされた。
通勤電車内で本書を読み終えた余韻が残る今日、最寄り駅からの帰路、西日を浴びた 1軒の美容室が目に留まった。小さな店構え。派手な看板はないが、古材を使った
木の壁に店主のセンスを感じ、前から気になっていたその店。ちょうど店の前には、1台の20 インチくらいのおしゃれな白い自転車が止まっている。ふと、スケッチしたい衝動に駆られた。と同時に、眼前にあるこれと同じ風景は、もう二度と見ることはないのだなぁ、としみじみ思った。太陽の角度、自転車の有無、今の私の心境…、そうした組み合わせが、少しでも違うと、まったく印象の違う風景になって見えることだろう。だから、文字通り、風景との出合いは、一期一会なのだ。
本書の中に、次のような記述がある。
『日常生活の中で一見「当たり前」に起こるもろもろの事象が、実は私たちが“奇蹟”だと考えて驚く事象と変わりないほど稀に起こる、たった一回きりの出来事なのである』(同書145頁)
こういう事実を自覚しながら日々を生きることができれば、この人生はきっと幸せに過ごすことができるだろう。
家族との語らい、人や風景との出合い…、それらをじっくりと味わう気持ちになれるだろうから。
本書の後半では、著者が旅先で出合ったさまざまなモノ(静物)や風景を描いた絵がたくさん掲載されている。その絵や添えられたコメントを読んで眺めるうちに、自分も身のまわりのモノや風景を改めて見直してみたい、という気持ちになってくる。私は、花をよくスケッチするが、身の回りの静物など、もっといろんなモノを描きたくなってきた。
また、絵の後に掲載されている句集を読み、著者の日常生活の一端を垣間見たような気がして、新鮮で親しみを感じた。
最後になったが、序章「太陽はいつも輝いている」を読んで、本書のメインタイトルがなぜ「太陽はいつも輝いている」という名前なのかが、よく分かった。
本書の27頁から29頁にかけて、タイトルに込めた著者の真意が詳しく述べられているのだが、ようするに「生長の家で説く唯神実相の善一元論は、言ってみれば“太陽はいつも輝いている”ということである」(27頁)ということだ。
雲の上には常に太陽が照り輝いている――神が創造された世界は善一元(良きもののみ)――ということを信じて、雲間から射し込む光(明るい面)に心の焦点を合わせて生きていく、それが日時計主義を生きることである。
日時計主義の理論と実践、この両輪が1冊の本として収められている本書は、冒頭で紹介した私の体験のように、一読後、きっと読者の身の回りの風景の見え方や、日常の出来事の受け止め方を一新させてくれるに違いない。
「当たり前の奇蹟」という、印象深い言葉を脳裏に焼き付けて――。
小関 隆史(TK)
2008年4月30日
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