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2008年11月29日 (土)

私の制作日記(18) 感性のレッスン、または遊戯

 今、絵を描くことが楽しい。
 一昨日、昨日と連休だったので、昼間は子供たちとハガキサイズの紙に絵を描き、早朝は一人でキャンバスに向かった。
 一昨日は、2歳のアキラと一緒に“お絵かき”をしたが、私は墨と顔彩を使って描いた。今、私が興味を抱いている画材の一つが墨。ぼかしや濃淡の変化だけで思いもかけない絵や深みが表現できる素材として、やがて大きな作品にも使いたいと思っている。学生時代に日本画を描いていた時には、墨は輪郭線を描くのによく使っていたが、墨そのものを主に使っての抽象表現はしたことがなかったから、いろいろ試してみたい。1作だけ少し気に入った作品ができたので、「光のギャラリー」の方に掲載したい。
 昨日は、やはりアキラと小5になる娘・マホと一緒に夕方に絵を描いた。アキラと絵を描いていると「私も描きたい」と言ってマホが入ってきたのだ。マホはクレパスと顔彩で1枚の絵「くろぶた」を仕上げ、私は色鉛筆とクレパスで抽象的な絵を描いた。マホはなかなかおもしろい作品を描いたので、これも「光のギャラリー」に載せることにした。彼女は色彩感覚がいい。
 今朝は、昨日描いたハガキサイズの抽象画の上からアクリル絵の具を塗り重ねて、画面を削ったり、描き足したりというような手を加えて、一つの作品を作った。
 Seisaku081129 その後、制作途中のSMサイズの絵にホワイトとイエローの色を加えた。その時、画面の中で色同士が響き合う感じが伝わってきて、「これだ」という手応えを得た。しかしながら、まだ途中段階なので、この手応えを大切に仕上げに入っていきたい。

 昨年から抽象表現を試みるようになっていろいろ気づくことがある。まず一つ目は、自分のクセ。何も考えずに感性のままに描くと、どうやら私は「斜めの動き」のある画面を作る傾向があるようだ。昨秋、生光展に出品した絵もやはりそうだったことに今、改めて思う。また、画面における「祖密のバランス」、つまり密度のある部分と抜けている部分(空間)とのバランスが今一つうまくいっていないことにも気づいてきた。これがなかなか難しい。ついつい均等に描き込んでしまう。
 とまあ、マイナスの要因ばかりを挙げたようだけれど、これは自分としてはすごい発見で、われわれは普段なかなか自分を客観視するのが難しいのと同様に、自分で自分の絵のクセなり傾向に気づくことは案外難しい。その点、抽象表現など無意識に近い感覚で描いた絵は、その時の自分自身がそのまま出るので、作品を見て客観視しやすいのではないかと思う。使う色も不思議と心境によって変わっていくようだ。

 今、子供たちと一緒に絵を描く機会が多いが、子供の絵を見ていて教えられることも多い。特にアキラの絵は、何気なく描いているようだけれど粗密のバランスがすごくいい。正直、一緒に描いていて、「負けた」と思うこともある。かの日本画の大家・福田平八郎氏が一時期、児童画を真剣に研究したという話は有名で、私も子供たちが描く絵には、「描きたいものがはっきり(強調されて)出ている」「既成概念にとらわれない」などの大人が学ぶべき特長があるように思う。

 私は、いわゆる伝統的な美術教育を受けてきた“なごり”で、これまでずっと誰が見ても“分かりやすい絵”を描いてきたし、分かりにくい抽象作品はあまり好きではなかった。でもここ6年ほど絵を描き続ける中で、内的な欲求として、自分が一皮むけるためには、「抽象表現から学ぶことが必然」だと思うようになってきた。それは、具体的には、抽象的な作品を描く作家との出合い、その作品からの触発も含まれる。
  そして今、感性のままに、いろんな画材を試しながら絵を描いている自分がいる。どんな作品が目の前に現れるのか、わくわくする気持ちで。そして、そんな一つ一つの積み重ねが今の私にとってはとても大切で、いつか大きな作品を制作する時にも生かされるということも、はっきりと自覚している。
  そんな自分自身にもわくわくしている、この頃だ。

 小関 隆史

 2008年11月29日

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