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2009年2月 2日 (月)

映画『禅 ZEN』を観て ~道元禅師の生涯に学ぶ

 先日、仕事帰りに「角川シネマ新宿」という映画館で上映中の『禅 ZEN』を観ました。
 上司が「いい映画だったよ」と紹介してくれたこともあって、映画館でぜひとも観てみたかったのです。
 この映画の主人公で日本曹洞宗の開祖・道元禅師については、『正法眼蔵』の大著を著した人であること、永平寺を開いた人であることは知っていましたが、その生涯について多くのことは知りませんでした。でも、この映画を観終わった時、こんな日本人の宗教家がいたことをとても誇りに思いました。
 映画の中では随所に道元の口から、宗教的信条が語られるのですが、いずれも共感するものばかりでした。例えば、「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」という道元が詠んだ短歌。今、私自身が日々短歌を詠んでいることもあって、とりわけ響いた言葉でした。一見、当たり前のことを詠んでいるように思えるこの歌ですが、私はとても深いものを感じます。私たちの日常は季節を含め刻々変化している。その中にあって、その時しか味わえない趣を感じつつ、楽しんで生きる。五感の感覚を鋭敏にして、美しいもの、魂にとって心地よいもの等、大自然(神仏)がもたらしてくれる恵みに気づき、感謝すること。それがこの世を浄土として生きることである――そんな道元の思いを私はこの歌から感じとりました。

 また、道元は当時の比叡山の僧兵から2度にわたる圧迫(2度目はついに自分の寺を焼かれてしまう)を受け、追われるように京の都を離れ越前(福井)に移り住み永平寺を開くのですが、最初の迫害を受けた時の叡山の僧兵との問答が圧巻でした。僧兵が、「おまえは吾々に反発するように自分の一派をうち立てているが、一体、宗(中国)で修行をしたというが何を持ち帰ってきた。見せてみよ!」というような言葉をぶつけてきた時に、道元は「私は何も持ち帰ってきてはいない。この私自身がすべてだ!」というような言葉を返す。ここに僧兵と道元との意識の次元の違いを見ました。道元は、信仰というものは、誰に何を授かったというような外面的なことが重要なのではなく、自分が如何にその教えを生きているかということが最も重要である。そうこの一言で語っていると思いました。
 そして、「只管打坐・・・ただ坐り、あるがままの真実の姿を見ることこそ、悟りなのです」との道元の言葉の「あるがままの真実の姿」とは、生長の家で説くところの「実相の神そのままの自分」であり、「只管打坐」の教えを言い換えると、ひたすら神想観で自己の神性を見つめることであると思いました。

 映画の終盤では、座禅をしながら道元が入滅するシーンがあります。そこで、道元は「生きているときは生きることのほかは何もできず。死ぬる時は死ぬことしかできぬ」というような言葉を残します。ようするにこれは、「生きながら死ぬことはできない。死にながら生きることもできない。相反する2つのことは同時には行えない」という自明の真理を説いているわけで、私はここに「今を生きる」ことの本義を見出した思いがしました。光の方向を向いて今を生きるとき、闇(迷い)は自ずと消えるのであるということです。

 この映画を通観して私は、道元禅師が日本の宗教界、そして民衆の信仰のあり方にもらたした影響はことのほか大きく、その教えは道元亡き後に発祥した生長の家の信仰にもつながっていると感じました。
 とはいえ、私はまだ道元禅師が説いた教えを断片的にしか知りませんので、これから少しずつ『正法眼蔵を読む』(谷口清超先生著、日本教文社刊)などを読んで学んでいきたいと思っています。今の時代に生きる宗教者として、どう生きるのか、何ができるのか、そう自らに問いかけながら。

 小関 隆史

 2009年2月2日 

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DVDで見て私も感動しました。正法眼蔵私も勉強したくなりました。

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