ブログ内検索

« おもしろ写真館(28) 今日のイシベくん(2009年11月2日) | トップページ | 私の弁当(11) ナスと油揚げの煮物 »

2009年11月 6日 (金)

バランス感覚についての考察

 最近、同僚の一人と雑談していた時にお酒の話になり、私が「僕、酩酊状態になるまで飲んだことがなくて…。そこまで飲みたいとは思わないんですよね」と言った後、相手から「小関さんはバランス感覚がいいですよね」とポツリと言われた。まるで虚をつかれたように返す言葉が見つからなくてちょっと間が空いてしまったが、「そうですか、ありがとうございます」と返した。それから話題はほかへ移ったが、先の言葉が、何か自分の本質に触れる重要な事のように感じ、しばらくその事が頭から離れなかった。

 バランス感覚――つまり平衡感覚のことだが、スポーツ、仕事、人付き合いなどいろんな場面で広く使われている言葉だ。特にスポーツで印象に残っているのは、サッカー元日本代表の中田英寿さんが現役時代、国際試合の時に「ボディーバランスがいい」とテレビ解説者に褒められていたこと。サッカーは文字通り体と体が直接ぶつかり合う競技で、試合中に選手は相手の激しい当たりが来てピッチに転がされることもしばしば。でも、中田さんは、なかなか倒れなかった。素人目にも、常に彼の重心は低く、まるでグラウンドに吸い付いているかのように安定して見えた。専門的なことはよく分からないが、当たられた時も、相手の力をうまく逃がしながら体の軸がぶれないようにバランスを保っているのだろう。
 ほかにも大きくは地球環境の保全、国際政治から、小さくは職場での仕事の進め方、自治会、夫婦関係、子育てに至るまで、この「バランス感覚」は重要な役割を果たす。平たく言えば、「偏らないようにする」ということだろう。偏ってしまうとなぜ良くないかと言えば、調和が崩れるからだ。地球環境問題においても、人間本位の生活が二酸化炭素の急激な増加を引き起こし、大気のバランスを崩したことが、地球温暖化の危機を招く結果に結びついている。

 ところで、やはり人は、本人が意識するしないは別として、誰しもいろんな場面でバランスをとりながら生きているのだろう。自分の事を振り返ってみても、それは分かる。
 だが、バランスにばかりとらわれてしまっても、物事の本質から外れる場合もあるだろうから、そこは注意したい。話を分かりやすくするためにそれを絵画に例えると、もっともバランスがとれるのは左右対称に描くことだ。でも、余程それを狙った作品でない限り、それでは面白みに欠ける場合が多い。やはり、均衡を少し崩すことによって画面に動きが生まれ、なんともいえない魅力ある空間ができる。色も同じ。前に日本画家の千住博さんの言葉を紹介したように、どんな色同士でも調和するが、色の面積(分量)などのバランスを工夫することが、その前提となると言っていたことと同様だ。
 こう考えてみると、バランスをとるということは実に奥深い。ただ、こうして書きながら考察を深めるうちに、バランスを保つには「重心」が大切だということは、分かってきた。ならば、私たちが生きる上で何を重心とすれば良いのだろうか。そんなことを考えていると、「人間の魂の重心は神である」という生長の家創始者・谷口雅春先生の言葉を思い出した。最後にその詩を紹介して言葉を結びたい。

 人間の魂の重心は神である

 宇宙の心はバランスを欲するのである。
 バランスを得ないものは倒れて壊ける
 今は、力のバランスで
 辛うじて世界の平和が維持されている。
 月が地球を旋(めぐ)っていて
 急降下して地球と衝突しないのも、
 遠心力と求心力とのバランスが得られているからである。

 船が傾いて沈没しないのも、
 船には水荷があってバランスを得ているからである。
 あなたが二本の脚で道を歩いていて倒れないのも
 バランスを得ているからである。
 あなたが自転車に乗っていて倒れないのも、バランスを保っているからである。
 
 重心が大切である。
 重心が外れたら
 すべてのものは倒れてしまう。
 人間も重心が大切である。
 人間の心が重心を踏み外すとき
 重大な悲劇がそこに起るのである。
 人間の魂の重心は神である。

(『神と偕に生きる真理365章』谷口雅春著、P115~117より)

 

 小関 隆史

 2009年11月6日

【参考資料】
『神と偕に生きる真理365章』(谷口雅春著、日本教文社、平成14年2月25日17版)

« おもしろ写真館(28) 今日のイシベくん(2009年11月2日) | トップページ | 私の弁当(11) ナスと油揚げの煮物 »

エッセイ」カテゴリの記事

論文」カテゴリの記事

コメント


バランス感覚の考察、同感です。
ブログさかのぼって拝見し、共感を覚えています。

有本容子さんの個展ギャラリー訪問しました。
容子さんの絵は心が落ち着きます、実物の絵を見たいですね。
昨年松山で展覧会があったようですね、残念でした。
御主人の絵も一度みたいです。

鵜久森税様という「東京スリーボンドKK」の名誉会長さんはひょっとすると「生長の家」の熱心な信者ではなかったでしょうか?
お知らせくだされば嬉しいです。

それではまた


ボビーぱぱ 様

 共感していただいて、うれしいです。

 有元利夫さんの作品も静謐な雰囲気で素晴らしいですよ。特に最晩年には、とても宗教的な雰囲気の作品も描かれています。
 故・鵜久森税さんのことは、私は何も知りませんでしたので、スリーボンド社のサイトを見てみましたが、「愛」と「奉仕精神」を基盤とした素晴らしい創業理念をもつ会社ですね。
 生長の家を信仰しておられたかどうかは、残念ながら私には分かりません。お役に立てず申し訳ありません。

いつもステキな記事をありがとうございます〜〜〜よく考えてみると、コメントするの初めてですね。読み逃げばかりですみません。

バランス感覚が良い・・・と私も以前はよく言われておりましたが、小関さまこそがバランスの良い人なのだなぁ・・・と実感しております。神様が重心だからなのですね。
ここ一年ほど「忙しい忙しい」と少し自分を見失っておりましたが、これからは右脳全開で、小関さまをお手本に、いろんな事にチャレンジしていこうと思っております。
またちょくちょくコメントさせていただきますね〜〜よろしくおねがいいたします。

シコク嫁さま

 初コメント、目を見開いて拝見しました。(笑) ありがとうございます!
 シコク様のブログの方も好調ですネ。
 自分が褒められたことを記事中で紹介するのはちょっと気が引けるものがあったのですが、すごく印象深い出来事でしたので、書いてしまいました。
 なので、温かいお言葉にとても勇気づけられました。
 これからも、お気軽にコメントくださいね。よろしくお願いします。
 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224674/46688926

この記事へのトラックバック一覧です: バランス感覚についての考察:

« おもしろ写真館(28) 今日のイシベくん(2009年11月2日) | トップページ | 私の弁当(11) ナスと油揚げの煮物 »

喜びの投稿SNSサイト

フォト

日時計シリーズ


おすすめサイト

  • Seicho-No-Ie Artist Association

姉妹ブログ


  • 光のギャラリー ~アトリエ TK(新しいウィンドウで表示)

光のリンク

☆ ニュース ☆

無料ブログはココログ