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2010年1月 9日 (土)

私の履歴書 ~幼稚園時代

 実は、絵を描くのが好きになったのは、幼稚園時代にまでさかのぼる。
 私が年長さん(みどり組だった)の時、広いお遊技室の真ん中に自転車を1台置いて、それを園児たちが取り囲むようにして座り、スケッチをする時間があった。
 自転車は、さまざまな形の異なるパーツが組み合わさってできている。タイヤ、チェーン、ハンドル、ペダル…等々。観察していて、すごくおもしろかった。
 画材は茶色1色のコンテ。貧しい時代だったのか、はたまたデッサンには多色は必要ないと先生が判断されたのか、幼稚園では、黒色や茶色のコンテしか見かけなかった。
 それでも、複雑な構造を目で追いながらコンテの濃い線で描き写していると、次第に全体の形が浮かび上がってきて、完成。まるで、画面の中に自転車があるように見えて、自分でもよく描けたと思った。 
 今、もしその時のスケッチを見たら、きっと線がぐにゃぐにゃで写実からはほど遠いものであったに違いない。

 しかしながら、その時に感じた「目の前にあるものを白い画面の中に再現する」ことの心地よさは、強烈な体験として私の中に根をおろしたのだろうと、今振り返って思う。

 そういえば、園児だった私は、大好きなタイガーマスクが大きくマントを広げたイラストがフタに描かれたアルミ製の弁当箱を、お遊戯室の保温庫から出し入れする時に漏れ出してくる特有の香りが好きだった。そして、食べるのが遅くていつも最後は独りぼっちで弁当を食べていたKさんを遠くから見守るように見つめていた淡い恋心も、幼稚園時代の懐かしい思い出だ。

 小関 隆史

 2010年1月9日

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