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2011年2月16日 (水)

“戦略ストーリー”について(1)

 今、私が一番関心をもっているのは、“戦略ストーリー”。
 これは、『ストーリーとしての競争戦略』(2010/5初版)という本を著した一橋大学大学院国際企業戦略研究科の教授、楠木健さんがいろんなところで説いている戦略の捉え方。この言葉だけでも、なんとなく言わんとするイメージが伝わってくるところがこのネーミングの妙だと思う。
 どうやら、前からよく使われてきた“ビジネスモデル”とも意味が異なるらしい。
 私がこの戦略ストーリーを気に入った理由の一つは、モデルではなく“物語”ならば、多少気楽に自由に発想ができるところ。自分がわくわくするイメージを物語にすればよいのだ。物語には、必ず伝えたいコンセプトがある。登場人物もいて、いろんな出来事を通じて話は展開する。それと同じように、事業も、最初に目指すべき目的もしくは目標があり、そのために地域の顧客とどう関わり、どんなサービスを与えられるか、どう発展していくかを、ストーリーとして描くことができる。それが素晴らしいストーリーならば感動を与えられるだろうし、感動した人は、それを伝えずにはおれなくなる。そこがポイントだ。

 前述の楠木氏は、「多くの日本企業に欠けているもの」は、「思わず人に話したくなるような、面白い戦略ストーリー」だとズバリ指摘する。
 それを証明するかのように、今、5000部売れれば上出来という学術書分野にあって、楠木氏の持論を展開した『ストーリーとしての競争戦略』がなんと5万部も売れているのだそうだ。
 その理由を、楠木氏は、「本書でいちばん受け入れられているのは、やっぱり面白いことをやろう、という単純な論点。戦略の実行にかかわる社員の人たちも、自分がそれに乗っかって頑張りたくなるようなワクワクするストーリーを本能的に求めているのだと思う」と語る。
「仕事は自分自身の投影であり作品」が私の持論。だから、自分がワクワクしないものをつくっても他者が感動してくれるはずがないと思う。それは、雑誌の編集者が興味のないありきたりのテーマで、旧態依然とした内容の雑誌を出版しても喜びがわいてこないのと同じだ。やはり、今の世間ないし組織の人は何を求め、そのニーズにどうすれば応えられるか、それを常に問いかけ、工夫しながら編集できるかどうかがワクワク感をもてるか否かの分かれ目だと思う。もちろん、芸術制作でも同様だ。

 その点で、組織内外の多くの人の共感を得る上でも、この戦略ストーリーを描けるかどうかは、とても重要になってくる。
 楠木氏は言う。戦略の本質を一言で言うと、「違いをつくって、つなげる」。
 同業他社との「違い」がないとその事業に目新しさがなく魅力は半減するだろう。では、「つなげる」とはどういうことか。そこにストーリーの必要性が出てくる。そのポイントは「連動」。一つ一つの“手段”即ち“取り組み”が連動してこそ、大きなウネリを生み出し、より多くの人々の共感を得ることにつながる。
 それは、今年度から生長の家の月刊誌とインターネットのSNSサイト「ポスティングジョイ」が連動することで、読者参加が広がり、さらにポスティングジョイと生光展(美術展)が連動することで、同展覧会の入場者が大幅に増えたことにも証明されていると思う。

 こうした個別の取り組みを結んで連動させるワクワクするストーリーを描く。これが、これからの企業、組織の発展、そして個人の人生を豊かなものにするためにも、とても重要だと思う。

 小関 隆史

 2011年2月16日

【参考資料】
○『週刊 東洋経済』(2011/1/8号)「特集 ストーリーで戦略を作ろう」

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