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2014年1月 9日 (木)

俵万智著『オレがマリオ』の紹介文を読んで

 私が愛読している『山梨日日新聞』の1月8日付朝刊に、歌人の俵万智さんの記事が掲載されていて、「自然に囲まれた中での子育ての良さ」について、期待がふくらんだ。

 以下、記事をざっと要約してみる。

 シングルマザーとして小学1年生の子息と2人で仙台に在住していた俵万智さんは、平成23(2011)年3月11日に起こった東日本大震災で大きな転機を迎える。その日、東京に出張中だった俵さんは、被災した息子さんと5日後に合流。子供に現れた変化を見て、次の短歌を詠んだ。

 震災の映像見れば 指しゃぶり いよよ激しき 七つの心

 息子の心の動揺、原発事故への不安から、子供を守りたい一心で知人のいる沖縄県の石垣島へ避難することにした。すぐに島で友達もでき、自然の中で遊ぶようになって、目に見えて生き生きとしてきた息子。都会で暮らしていた時には、あれほど夢中になっていたゲーム機器に見向きもしなくなった。そのことを息子に尋ねた時のことを詠んだのが次の歌。

 「オレが今 マリオなんだよ」島に来て 子はゲーム機に 触れなくなりぬ

 マリオというのは、もちろん、有名なゲームソフト「スーパーマリオブラザース」の主人公の名前。いろんな場所で冒険をしていくゲームだ。「オレが今マリオ…」のくだりを読んで、思わずプッと笑ってしまった。仮想空間から、現実空間へ。幼い息子さんが生きるステージに大きな変化が訪れたのだった。そして、俵さんは、その後も子息と2人で石垣島に移住することを決断する。

 誰でもそうした移住ができるわけではないことから、著名な歌人の特別な行動を非難する人々の声も、俵さんに届いた。それはもちろん理解できる、でも…。

 子を連れて 西へ西へと 逃げてゆく 愚かな母と 言うならば言え

 子供を守ること、それを第一に考える俵さんの心はブレなかった。

 そして、俵さん自身の詠む歌も、島暮らしの中で変わっていく。 

 何色にも なれる未来を願う朝 白いガーベラ 君に手渡す

 これから山梨での「田舎暮らし」を家族と一緒に始める私にとって、俵さんの体験は、とても参考になる。都会暮らしには、便利な反面、さまざまな“誘惑”に満ちあふれているから、私は常に心の中で葛藤を抱いていた。子育てについても然りで、自宅の前には、大規模なショッピングモールがあり、そこでは書籍、雑貨、靴などの日用品が買えるのをはじめ、大きなゲームセンターも備えている。子供たちが、休みの日になるとそこへ行きたがるのだ。

 また、子供たちは、外で遊ぶよりも携帯端末であるゲーム機にも夢中になっている。時間制限を設けてはいるものの、ある程度は要求を満たしてあげるしかない、と半ば諦めもある。

 その点、石垣島に移住した俵さんの子息のように、自発的に、ゲーム機で遊ぶよりも、外遊びを選んだという話には、子育ての理想型を見る思いだ。

 子供たちには、この春の引っ越しを機に、自然と触れ合う中で、自分自身の感性を磨いていってほしいと願っている。

小関 隆史

2014年1月9日

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