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2014年8月15日 (金)

読書ノート 2014.8.15

『井筒俊彦 言語の根源と哲学の発生』(河出書房新社刊、2014)p65〜66より。
 ジャン・コーネル・ホフという人の「井筒哲学を翻訳する」の中で、特に印象に残った記述。以下、引用。
 井筒にとって、この2つの構成要素、言語と霊性を体現しているのが、神秘的な「脱自」(エクスタシス=文字どおり自己を脱した自己無化の状態)と「神充」(エントゥシアスモス=神に充たされている状態)を経験し、神の言葉が降りてくる啓示の仲介者となる詩人、預言者、シャマン(小関註:シャーマン)である。哲学者も同じ機能を果たす。「脱自」と「神充」は、詩人、預言者、シャマンの究極的目標ではないように、神秘哲学者にとっても究極的目標ではない。「イデア界を究尽して遂に超越的生命の秘奥に参入せる人は、現象界に降り来って現象界の只中に超越的生命の燈を点火し、相対的世界のイデア化に努むべき神聖なる義務を有する」(『神秘哲学』井筒俊彦著より。『著作集1』のp469に収録)。
 引用終わり。
 これを私なりに解釈すると、実在世界(イデア界)にふれ得た人(参入した人)は、現象世界の中に超越的生命の表われ(光)を見いだし、様式や文化的背景などによる「違い」の奥にある共通性(一つ)を求めていく。そんなふうに読み取れる。
 ジャン・コーネル・ホフは、神秘哲学者としての井筒は、異なる文明間の「相互理解」を実現するための「ふさわしい場」として、自身の東洋思想に関する膨大な知識に依拠して「コトバ」の哲学を創造したのである、と述べている。
 現在の世界においても、本来「一つ」であるという思想は、国際平和の実現に向けて重要なカギを握っていると思う。
 その意味で、今、井筒俊彦が残した業績は、注目に値するものだと私は思う。
 小関 隆史
 2014年8月15日

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