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2014年9月30日 (火)

関係性の中で見えてくるもの

【今朝のごあいさつ 〜2014年9月30日】

 
 おはようございます。
 今朝は、私の好きな建築家の一人、安藤忠雄さんのことについてご紹介します。
 コンクリートの打ちっぱなしの建物で有名な安藤さんのことは、前から注目していて、テレビや書籍でその生き様を学んでいたのですが、近所の図書館に「自ら仕事を創造せよ」という熱いタイトルの安藤さんの仕事を取り上げたNHKテレビテキストがありましたので、一読してみました。
 はじめに、その本の中で、特に印象に残った一節をご紹介します。「周囲の環境を味方にする」という小見出しに続く文章です。
「ここで私なりの建築のアイディアの組み立て方、発想のプロセスを少しお話ししたいと思います。
 まずはじめるのは与えられた敷地をどう読むか、敷地との対話です。建築というのは、それ自体で完結してできるものではなく、常に歴史や風土といった目に見えないものを含めた周辺環境との関係性の中で考えられるべきと私は思っています。無論、ただ周辺との予定調和だけしていればいいというものでもない。周辺と調和しつつ、そこに埋没しない確かな個性を持つ。そんなぎりぎりのバランスを探っていくのが私にとっての設計という行為なのです」(同書73ページ)
 なかなか深い、考えさせられる言葉だと思いませんか?
 設計者というのは、すなわちデザインする人です。よく考えてみると、建築デザインに限らず、あらゆるもののデザインは、関係性を考慮して成り立っていることが分かります。今私の目の前にある何気ない湯のみ茶碗だってそうです。単体の美しさだけを求められたのではなく、手に持ったときのフィット感を考えるという関係性の中でデザインされていることが分かります。
 話を建築に戻しましょう。
 東京ミッドタウンの端にあるデザインミュージアム「21_21 DESIGN SIGHT」の建築デザインを安藤さんが手がけたときには、隣接地の小学校に背の高いヒマラヤスギが、ずらりと並んでいたのですね。それを見た安藤さんは、その木立を「屏風」とみたてて、その4分の1くらいの低層となる地上1階、地下1階の建物をデザインしました。しかも、最大の長さが50メートルにもなる屋根は「1枚の布」をイメージしてフラットなデザインに。1階がエントランスと受付のみ。ギャラリーは地下に設けたのです。ですから、屏風のような木立の前に、低くて大きな屋根が広がるわけです。ことの経緯を知らないある人は、「安藤さん、うまいこと木を植えていますね」と建物よりも背景の木を褒めてくれたそうです。これは、周囲が引き立ち、建築自体も個性を放つという代表的な事例でしょう。
 仕事でも同じですね。周囲との関係性の中でプロジェクトは進んで行きます。周りも生かし、自分も生きる、そうありたいものです。
 今の時代は、環境技術の利用を含め、あらゆる分野で、コーディネーターが求められているような気がします。
 いろんな良きものを、調和の精神でうまく組み合わせて、新しい価値を生み出していく。そんなセンスを養いたいですね。
 今日も、コーディネートの醍醐味を味わいつつ、素晴らしい一日を自らデザインしてまいりましょう。
 小関 隆史(TK)

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