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2014年9月12日 (金)

花は咲く

【今朝のごあいさつ 〜2014年9月12日】


 おはようございます。
 今朝はある絵本作家の話を紹介します。
 彼女の名は「刀根里衣(Satoe Tone)」。イタリア・ミラノ在住で、ヨーロッパでも活躍し始めた29歳の絵本作家です。
 ただし、日本では無名、海外でまず認められた方です。
 でも、認められるまでの道のりは遠かった。大学卒業後、子供服メーカーに就職。イタリア・ボローニャで毎年開かれる「国際絵本原画展」で絵を売り込むことを目指して、2年間貯めたお金で英国に1年間、語学留学を果たします。その間、訪れた同展の会場で絵を売り込むも、英語できちんと説明できず、「編集者はみな忙しい」と叱られる始末でした。
 でも、彼女はあきらめず、資金を貯めるためにいったん日本に帰国。ファミレスで働きながら絵本の原画を描きつづけ、翌年再び、ボローニャへ。そこで開かれた国際ブックフェアの会場で、10社ほど回って、自らが描いた絵本の原画を見せた。足も痛くなってきて帰ろうかと思った最終日のこと、一人の編集者の女性に原画を手渡した。その作品は、不器用で失敗続きの小鳥を描いた「なんにもできなかったとり」。自らを小鳥の姿に重ねて描いたものでした。
 その女性編集者は、黙って絵を見つめてページをめくっていく。そして最後の1枚。花たちと出会った鳥が1本の大きな木になるシーンで、編集者は涙を流し始め、「この絵を出版したい」「絵本作家として成功できる。お世辞じゃない。一緒にやってほしい」と…。作品が深い共感を与えたのですね。そこから、刀根さんの絵本作家としての運命が開けていきました。ひとつの作品で刀根さんの才能を見抜いた、その編集者も素晴らしい。
 2011年、その絵本「なんにもできなかったとり」が、国際ブックフェアに100冊並ぶと完売。今では欧州を中心に7冊(種類)の絵本を出版し、英語やドイツ語、中国語にも翻訳されています。
 以上は、『朝日新聞グローブ』2014年9月7日号の記事の要約です。
 
 共感が共感を呼ぶ。チャンスというのは、人との出会いによって生まれることが多いと思います。その“出会い”を待つ間は、やはり、準備が必要です。作家の場合は、作品を作り続けること。
 刀根さんの場合、彼女自身を主人公に重ねた作品には、等身大の彼女の挫折感や希望という実感がこもっていたのではないか。それが、見る人に切実に訴える力があったのではないか、と。
 表現というものは、リアリズムやファンタジーという形(タイプ)の違いを超えて、ある種の「普遍的な要素」が明確に描かれていることが、大切なのではないでしょうか。それが、見る人の心に訴えかける。共感を引き出すのだと思います。
 そのためには、表現の奥にあるもの、つまり、自らの感動や喜び、悲しみ、切実さ、といった核になるものが何かを見つめ、それをどのように表現すれば第三者に伝わるか、自問自答し、試行する必要があります。
 そこから表現活動は出発し、共感が得られた時に、花が咲きはじめる。
 

 今日一日、心の奥底にある“願い”に耳を傾けながら、あなたの人生という舞台で何かを表現してみませんか?


 小関 隆史(TK)

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