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2014年10月26日 (日)

表現する喜びを生きる力に(1)

【今朝のごあいさつ 〜2014年10月26日】

 
 おはようございます。
 昨日も良い新聞記事を読みました。いつも楽しみにしている『朝日新聞』の土曜版、『be on Saturday』の「フロントランナー」。
 「表現学ぶ場、生きる力届ける」という大見出しで始まる「釜ケ崎芸術大学」を運営する詩人、上田假奈代さん(44)の記事です。
 ちょっと耳慣れない大学名ですが、通常の学校法人ではなくて、日雇い労働者やホームレスなどを対象とした無料の学びの場なのですね。
 場所は、簡易宿泊所が集まる大阪市西成区の釜ヶ崎。公民館や公園がその“教室”。
 学位などがとれるわけではないのですが、上田さんの趣旨に賛同した美術家の森村泰昌さんや狂言師の茂山童司さんといったその道のプロが講師というから、魅力的ですね。
 これまで延べ1800人が受講。酒やギャンブルへの依存、ひきこもりなどの事情を抱える人など。これまで人と関わることが難しく、悩みを打ち明けることができなかった人々を含みます。
 ところが、“釜芸”の「詩」の講座を受け、2人1組になって、互いの話を聞いて相手のことを題材に詩をつくった時、自分の気持ちを相手に伝え、相手を知ろうとする体験ができたのでした。
「そんな学びを通して、助けてと声に出し、大切な人に気持ちを届けられるようになったらいい。いのちを救うことにつながると思うのです」と上田さん。
 素晴らしいですね、こういう表現のレッスン。
「人生の荒波を乗り越えてきたおっちゃんに私が励まされている。人は人とのかかわりがあって生きていく。その練習の場をつくり続けたい」と。
 こうした1講座2時間の“授業”で生み出された詩、習字、絵、激安スーパーのチラシで作った通天閣のオブジェなど約800点の作品が、横浜市で11月3日まで開催中の「ヨコハマトリエンナーレ2014」に展示されています。
 記事には、天井や壁一面に飾られた作品の写真が掲載されているのですが、クセのある素朴な文字ではありますが、表現に勢いがあり、「生きる力」を感じさせます。
 ヨコハマトリエンナーレの芸術監督を務める前述の森山さんは、「洗練されていくうちに、忘れられてしまった表現の原点がある」と釜芸の学生の作品を評価。11月に台湾でも同様の展覧会を開き、来年2月には英国でオペラ公演の予定も。
 今回、ヨコトリに出品したアルコール依存症だった男性(70)は、「夢ができた。心に豊かさの水源をみつけたようだ」と喜び、次は切り絵展を開く予定だそうです。
 いいですね。表現する喜びは、まさに生きる力につながるのですね。
 生涯学習の良いところは、そこにあると思います。
 何歳からでも、何歳になっても、人は表現し、向上することに喜びを見出だす。
 私は、今回紹介した上田さんとは立場が異なりますが、その精神と実践には大いに共感します。
 人生というのは、広い意味で、表現のレッスンの場なのですね。
 そもそも、生まれてきたこと自体、生きていることそのことが、いのちの表現なのですから。
 ですから、表現に磨きをかけること、それは人間の本性を満足させることに直結すると思います。
 表現する喜びを生きる力に。
 創作者として、学芸員として、信仰者として
 私は、これからいろんな形でプロデュースしていきたいな、と思っています。
 今日も、皆さま、お元気で!
 小関 隆史(TK)

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