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2014年12月 1日 (月)

芸術を創る脳

【今朝のごあいさつ 2014年12月1日】
 おはようございます。
 今朝は、最近、読んだ書籍のなかでベストの1冊をご紹介します。
 それはずばり、『芸術を創る脳』(東京大学出版会、2013年初版)。
 言語脳科学者で東京大学教授の酒井邦嘉さんが、音楽、将棋、マジック、絵画の各分野における
 以下の日本の第一人者とそれぞれ対談したものをまとめた本です。
 曽我大介(指揮者、作曲家)、羽生善治(将棋棋士)、前田知洋(マジシャン)、千住博(日本画家)

 読んでまずびっくりしたのが、酒井さんの芸術に対する造詣の深さ。
 音楽、将棋、マジック、絵画の専門知識が実に抱負なのですね。
 だから、まさに対談という感じで、いずれの芸術家とも話が呼応する。
 高校時代、オーケストラ部でバイオリンを演奏されていただけあって
 芸術を語る言葉に、知識だけでなく実感がこもっているのです。

 音楽と絵画はともかく、将棋とマジックがなぜ芸術なの? と思っていた私。
 でも本書を読んで、いずれもいかに創造的で、美を求めているかが少し分かりました。
 その意味で、本書でとりあげられた4分野すべてに精通していない人でも、「目からウロコ」の感を抱かれるのでは。
 それと脳の働きと芸術創作との関係も、随所で紹介されているので、
 人間にとって、芸術とはいかに根源的な営みであるかが、よく分かります。

 はっきり言いましょう。
 「芸術」と「生きる」は同義と言っても過言ではないのです。
 「芸術」は「対話」なのです。
 だから人間が地球上に生きている限り、芸術はなくならない。
 芸術は、人が生きていく上で、必要不可欠な営みであり、
 人間固有の高次脳機能を使って創作されていることが、本書を読んで分かるはずです。
 だからこそ、いにしえの昔から今に至るまで、人々は芸術作品を生み出し、大切に守ってきたのですね。 
 衣食住という人間の基本的な営みの中にも、芸術的感覚は色濃く反映されています。

 酒井さんは、「心は脳機能の一部であり、言語は心の機能の一部である。芸術とは心と言語をつなぐ架け橋」とまえがきで語り、
 4人の芸術家との対談を経た後に、以下の3項目を検証しています。

(1)芸術は人間固有の(高次)脳機能によって生まれる。
(2)芸術は人間の言語機能を基礎とする。
(3)美的感覚は芸術を支える心の機能である。

 人間の根源的な欲求と機能に根ざし、しかも、言語、民族、宗教…などの違いを超えて
 人々をつなぎ、共感を与える力をもつ芸術
 本書を読んで、なぜ今、芸術なのか、を考えるきっかけにしていただければ、うれしいです。

 どうぞ、今日も、お元気で。

【参考資料】
○『芸術を創る脳』(酒井邦嘉著、東京大学出版会、2013年初版)

Brain_and_art20141201

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