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2015年1月16日 (金)

心の中で他と生きるということ(1)

【今朝のごあいさつ 〜2015年1月16日】

 おはようございます。
 今、宗教学者の島薗進さんの対談集『宗教・いのち・国家』を読んでいるのですが、しょっぱなの柳田邦男さんとの対談から深く考えさせられる内容で、感動しています。
 そこで、私にとって大切なテーマが思いつきましたので、連載になるかと思いますが、しばらくお付き合いいただけると、うれしいです。
 まず最初に、「人間の魂は死をもって終わらない」というテーマに話題が及んだ時に、柳田さんが次のようなご自身の体験を紹介されています。
 柳田さんの次男さんが、心の病になった時、精神科の医師から、内観研修を受けることを勧められる。なぜかというと、子供の心のありかというのは、親の生き方やあり方と重大に関わっているから、というのですね。
 そこで、柳田さんは、栃木県の研修所を訪れ、1週間にわたって毎朝6時から夜9時まで、一人きりの狭い部屋で、「自分の生い立ちを検索」したのです。つまり、生まれてからの自分の人生を、長い時間をかけてじっくりと振り返っていった。
 すると、いろんな体験が生まれたのですが、6日目に、心の中に曼荼羅が見えてきた。そのくだりを次に引用します。
「光り輝く中に自分が中心に座っていて、その周りに無数のお坊さんの姿をした小さい人たちが座った姿でゆっくりと光り輝いて回っている。それが全部親兄弟、友達、教師……、自分の人生の中で出会った人たち、すべてなんです。これだけの人に支えられているという、恍惚に近いようなものすごい安定感。こんなに多くの人が自分の心の中で生きているし、自分をつくってくれたのはこれだけの人たちなんだと。自分で人生を開いてきたような傲慢な気持ちでいたけれど、そんなもんじゃない。その気づきが、衝撃的だった。死んでも人は心の中で生きているといったものを集大成したような感じなんですよ」
 立体的な曼荼羅のイメージが心に浮かんできて、しかも、その中心に自分がいて、それまで関わった人が周囲を取り巻いているというのですね。はっきりと明確に。それは、柳田さんの「奥底の心(潜在意識)の表われ」であり、画家が自分の思いをキャンバスに表現することで、客観的に自分の奥深いところの思いを知ることに似ています。
 続いて、柳田さんは、次のように語ります。
「それ(※曼荼羅を見た体験)があってから、ものの見方がそれまでと180度変わりました。人間の魂は死をもって終わらない、ということを実感として思うようになりました。自分が死んだ後も、自分と関わっていろいろなことを共有したり、喜びや悲しみを一緒にした人たちの中でおそらく自分は生きているだろうと、心底から思えるようになりました」
 さらに、
「死ぬときに、遺された人の心の中で自分は生きていくわけだから、あだやおろそかな生き方はできない。責任感というとちょっと堅苦しいけれど、有終の美を飾るというか、遺された人がいい思い出なり、いいイメージで、旅立った自分のことを回顧できる、あるいはそれが生きる支えになる、そういう最期でありたいなあと」
 というように、自分の死後を意識することで、明確に柳田さんの生き方が変わったのです。自分は死んだとしても消えてしまうのではない、触れ合った人々の心の中で生きていく。生前の自分へのイメージとともに。「どう生きるかがどう死ぬかであり、どう死ぬかということがどう生きるか」(柳田さん)というように、生と死が表裏一体のものとして意識されるようになったということでありましょう。
 こうした「心の中」に注目すると、人生は多重構造になるというか、自他が生きることが互いに連関し、自分の生を生きながら、他が自分の内に生き、他の中に自分が生きる、ということになると思うのです。生死を超えて。
 こう思うと、私たちの人生というのは、実に深いものですね。
 次回は私の体験も紹介できればと思います。(つづく)
 では、今日も、お元気で!
【参考資料】
○『宗教・いのち・国家 島薗進対談集』(島薗進著、平凡社刊、2014年10月24日初版)

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コメント

小関先生 ありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 今日から練成です。私は体験講話をさせていただくことになっています。
さっそく 先生に教えていただいた柳田邦夫先生のお話を
入れらせていただきたいと思います。  

   ありがとうございます。感謝です。

山本さん、

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。
 少しでもお役に立てて光栄です。

小関

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