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2015年2月 1日 (日)

『魂にメスはいらない』を読んで(1)

【今朝のごあいさつ 〜2015年2月1日】

 おはようございます。
 最近、『魂にメスはいらない [ユング心理学講義]』という古い本を読み始めました。心理学者の河合隼雄さんと、詩人の谷川俊太郎さんの共著です。二人の対談みたいな形で進んでいくので、読みやすいです。
 題名に惹かれたのと、心理学と芸術とのコラボという視点がおもしろそうなので、図書館で手にとりました。
 第一講「心の病とは何か」
 第二講「夢があらわすもの」
 第三講「癒えること創ること」
 第四講「心の扉をひらく」
 第五講「死を抱きしめる」
 このうち、第一講を読み終わりました。
 河合さんが、分析家となるためにユング派の研究所でどのように学んだのか、カウンセリングの進め方などが、具体的に書かれています。
 おもしろかったのは、分析家(治療者)になるためには、ユング研究所でまず、自分自身が精神分析を受けなければならないのですね、先生に就いて。そこで、どんな夢を見たかを話して、それをきっかけに話が進んでいく。自分自身が丸裸になって、自分を知る必要がある。自分のことを知らないでおいて、他人の心が分かるわけがない、というわけです。
 また、カウンセリングには共感ということが大切なのですが、河合さんも自分が悩んだことがない問題について、その人の悩みを理解できるだろうか、と当初悩まれたそうですが、次のように解決したそうです。
「人生の節では誰だっていろんなことがある。たとえば親から自立するときには大変なことがありますし、非常に親しい人とも別れねばならないこともあるし、そういうことはどんな人間でもみんな体験してくるんだから、自分の悩みと他人のそれとは、ぼくの説によれば「同型(イソモルフ
)になるんですね」(同書、P20)
 また、分析(治療)がうまく進まないときは、治療者自身が分析を受けるんだそうです。自分の内面を見つめるために。ですからカウンセリングというのは、相手と対面しながら、実は自分の内面とも対面している。なかなか厳しい面があるのだな、と感じました。
 それで聞き役になって、患者が自分の思いを話しながら、何が問題だったのかに、患者自身がいろいろ気づいていって、自分で癒されていく。そんな自己治癒力が人間にはある、とした上で、河合さんは、カウンセラーの存在意義について、次のように語ります。
「治るのはその人が治るわけでしょう。つまりその人が自分の人生を歩むわけだから、要するにぼくは何もできないわけですよ。ただし非常に不思議なことに、ぼくという人間が横にいるということはすごいことなんです。治るときは誰しも苦しい歩みを続けるのだから、そこに付き添う人があることは測り知れない大きい意味を持つのです」(同書、P47)
 人間が一人だけではなく、共に生きていることの意味を、私はこの河合さんの言葉の中に見出だすのです。
 (つづく)
 今日もお元気で!
【参考資料】
○河合隼雄、谷川俊太郎共著『魂にメスはいらない [ユング心理学講義]』(朝日出版社刊、1979年)

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