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2015年5月22日 (金)

生命科学者が訳した般若心経

【今朝のごあいさつ 2015年5月22日】
 おはようございます。
 柳澤桂子さん著『生きて死ぬ智慧』(小学館刊、2004年)が手元に届きました。
 今朝読んでみましたが、般若心経を現代語で、しかも科学的知見と文学的な分かりやすい表現で“心訳”されていて、とても読みやすいです。
 薄い本なのですが、全体に深い黒色が基調となっていて、白抜き文字で本文が書かれています。日本画家の堀文子さんの絵も落ち着いた色調で、本全体の統一感を保ち、読み手のイメージを広げてくれます。
 本という形態をとりながらも、声に出して、仏前で読めるのではないかと感じました。
 本書の特徴は3つあります。
 まず、36年間も原因不明の病に苦しみながら、独学で真理を求め、ついに「現象なし」の「空」を悟って、精神的に解放された著者の体験に基づいて書かれている点。
 次に、「空」という宗教的な教えを、この世界のすべてのものは粒子でできているという科学的真理に基づいて表現されている点。
 最後に、歌人としてのコトバのセンスを生かして、短くも明快な文章で書かれている点です。
 著者は「あとがき」でこう述べています。
「けれども、この傾向(※小関註 生まれた時点で自己と他者を区別する認識をもつこと)はどんどん強くなり、私たちは、自己と他者、自分と他のものという二元的な考え方に深入りしていきます。元来、自分と対象物という見方をするところに執着が生まれ、欲の原因になります」
 私たちは、そうやって自と他を区別することで生活できるわけですが、一方で、そのような「現れ(現象)」が真実だと思い込んでしまう。そこから、人やモノに対する執着が生まれ、我欲に振り回されがちなのですね。
 でも、般若心経が説くように、一切は空で、執着すべきものは、本来ない。この物質の宇宙を原子のレベルで見れば、原子の密度の高いところと、低いところがあるだけで、ひとつながりである。宇宙全体の原子の総量は、増えもしなければ減りもしないということが分かります。従って、モノを奪い合う必要などないのですね。
 しかし、何もないかといったらそうではなく、私もあなたも、ここに存在する。
 本書の訳の中で、次の一節が心に残りました。
------------------------------------------------------------
 真理を求める人は
 まちがった考えや無理な要求をもちません
 無常のなかで暮らしながら 楽園を発見し
 永遠のいのちに目覚めているのです
 永遠のいのちに目覚めた人は
 苦のなかにいて 苦のままで
 幸せに生きることができるのです
------------------------------------------------------------
 「空」とは何もなくてむなしいのではない。
 人生とはむなしいものではない。
 生きる価値ある素晴らしいものである。
 私には、本書の訳の全体から、
 そんなメッセージを受け止めました。
 本書は、声に出して読みたい、真理のコトバに満ちた一冊です。
 今日も、深く切に生きましょう。
 どうぞ、お元気で!
【参考資料】
○柳澤桂子著『生きて死ぬ智慧』(小学館刊、2004年)
Ikiteshinu_book20150521

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