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2015年8月 5日 (水)

古書店のおもしろさ

【今朝のごあいさつ 〜2015年8月5日】
 古書店のおもしろさ
 おはようございます。
 東京への出張の車中で、『本屋になりたい この島の本を売る』(宇田智子著)を読みました。
 本書は、沖縄の那覇市の第一牧志公設市場の向かいで一人で古書店を営んでいる35歳の女性が書いたものです。
 売り場は6畳の小さなスペース。しかも室内が3畳、路上にはみ出す部分が3畳。おそらく日本で一番狭い古書店。店の両隣は洋服店と漬物店で、小さな商店街に突然現れた古書店は、大通りできっと目を引くことでしょう。
 もともと著者は、東京の大手新刊書店で働いた後、沖縄支店に転勤、その間、合わせて8年ちょっと。
 でも、新刊書店で働くことに息苦しさを感じ、縁あってこの古書店を引き継ぐことになり、「ここでなら面白いことができる。やるしかない」との直感で店の経営を始めたそうです。
 取り扱うのは、沖縄の関連本が中心。沖縄を旅行した方はわかると思いますが、観光客の誰もが訪れるのがこの牧志(まきし)公設市場。沖縄らしい物産が豊富で眺めるだけでも楽しい場所です。
 そんな人が集まる土地柄とニーズのある沖縄本のセレクション。それらが功を奏して、古書店だけで生計を立てられているようで、そのことに訪問客も驚きます。
 新刊書店と古書店との違い。古本の仕入れと値段のつけ方。個人商店の経営の仕組み、沖縄では出版活動がとても盛んで、本の地産地消があることなど、著者が語るありのままの言葉から、古書店を経営することの苦労や喜び、楽しさなどが伝わってきます。
 きっと古書店の経営者にとっても、古書との出合いは、宝探しに似た喜びがあるのだろうな、と想像しました。
 最後に、著者の宇田さんの言葉を引用します。
「毎日たくさんの本を手にし、並べ、背表紙を眺めるうちに、読んでいない本も身近に感じるようになりました。読書って、本文を読み通すだけじゃないのかもしれない。開かなくても、文字は本の外側まであふれている。タイトルと著者と出版社の名前、それだけ読むのもひとつの読書かもしれない。本屋はただ本を運んでいるだけではなくて、仕事中ずっと読み続けてもいるんだ。そう考えてみると、自分と本とのつきあいかたが大きく広がるような気がしました」(同書197ページ)
 なんだか、どこかの古書店に立ち寄ってみたくなりました。
 時を超えた“宝物”との出合いに期待して。
 今日も、お元気で!
【参考資料】
宇田智子著『本屋になりたい この島の本を売る』(ちくまプリマー新書、2015年)
Photo1

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